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元『企業戦士』の1日1歩ブログ ~素晴らしき日常~

のんびりいこうやない。今日も明日も、明後日も。

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1ニチ1ポブログ

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【書評】カフェと日本人|高井尚之氏著

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経済ジャーナリスト、経営コンサルタントの高井尚之氏が「日本人におけるカフェ(喫茶店)とはどんな存在なのか」を探索した書。

カフェと日本人 (講談社現代新書)では、普段、何気なく足を運ぶ「カフェ」を文化的な視点から捉えており、新鮮かつ大変学びのある1冊。カフェや喫茶店を開業している人にも、カフェが生活の一部になっている人にも、カフェをより深く味わう為に是非読んでほしい書。

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カフェの変遷をたどりながら、コーヒーの進化をわかりやすく説明されている。著者自身が実際に調査なども行い、独自の視点から見解を述べている点も魅力的な一冊。早速、一部、内容をご紹介したい。

 

 「カフェに行こう」と思うのはどんな時だろうか。

第2章『日本独自の進化を遂げたカフェ・喫茶店』で紹介されている一文。以下が引用。

ただ単に、コーヒーやドリンクを飲むだけなら、自動販売機で買っても間に合う。そうではなく「カフェに行こう」と思うのはどんな時だろうか。

p.58 L1

至極、普通のことだが、文字に起こされると、考えされる一文である。

・人との待ち合わせ?
・読書の為?
・仕事をする為?
・気分転換の為?
・休憩の為?

私の場合は「休憩」の為が大半な気がする。

この章では、日本のカフェの機能には「基本性能」と「付加価値」があり、その二つの視点で整理をしている。

カフェの基本性能

①.飲みもの
②.場所の提供

「ドリンクの提供」が最優先であり、次に「飲食できるスペース」が基本性能であると論じている。「飲食できるスペース」は、スタバのような座席があるところや、立ち飲みカフェ、町のパン屋さんやケーキ屋で見かけるイートインスペースなどが挙げられている。 

そして、このような基本価値に加えて、店側は様々な切り口で提案して、お客様に対して、付加価値を提供しているとのこと。ここでは、11個の例が紹介されている。

カフェの付加価値・11事例

①.会議・会合に使う
②.打ち合わせに使う
③.個人作業や一人時間の場として使う
④.10円増しで提供される画期的サービス
⇒モーニングサービス(コーヒーとトースト・卵セット)
⑤.低料金で使える「時間つぶし」
⇒コーヒー一杯で何時間も過ごす
⑥.「音楽」を楽しむ
⇒名曲喫茶ライオン/シャンソン喫茶など
⑦.文化人たちの出会いの場
⑧.変わらぬオトコの願望を満たす
⇒メイドカフェ
⑨.欲望に応える「風俗系喫茶」
⇒ノーパン喫茶/同伴喫茶
⑩.たばこ難民の「逃避地」
⑪.共通の趣味を持つ人々が集う場所

独特な付加価値も多く存在する。「風俗系喫茶」はその時代には話題になったそう。

その時々の流行を取り入れつつ、創意工夫をして多様化させるのが日本流のカフェ・喫茶店といえよう

p.94 L7

お客様の求めるニーズは何かをお店側が練りに練って、考えられたアイデアのカタチだったと思う。今でいう猫カフェハンモックカフェなどのニッチなターゲットを狙ったカフェも同様だろう。

サードウェーブは「昭和の喫茶店」そのものだ

第5章『「うちカフェ」という見えざる市場』で紹介されている一節。この章では、これから人気が期待できそうなカフェを、著者の独自の視点で5つ挙げている。3年前の本であるが、今もなお、その傾向はあると言っていい。

人気が期待できそうなカフェの5つの視点

①.「開放感」や「特別感」
②.作業や生産・流通経路の「見える化」
③.あんばい・サジ加減
④.ヘルスケアからビューティケアへ
⑤.「生活文化」としての役割

この5つの視点を紐解くと、『お客様自らが選択できるように、お店のこだわりが全て目に見えるカタチ』でのカフェの提供が求められているということだと感じる。
(※ヘルスケアからビューティケアは女性視点)

確かに、最近のカフェは入りやすい感じがするし、カフェの生活拠点に出来るような工夫もなされている。また、実際にハンドドリップする様やサイフォンなどで抽出する様も見れるようになっているお店も多い。

例)ブルーボトルコーヒー
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引用:https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13179495/

喫茶店が「店主のこだわりの塊」であり、「ブルーボトルコーヒー」等のサードウェーブコーヒーは、一杯のこだわりのコーヒーを提供したいという点で人気になったのも納得。店主のこだわりの一杯との点では「昭和の喫茶店」と通じるものがあるので、著者の視点に共感。

最後に|本を読み終えて

本書は、カフェの変遷とコーヒーの歴史などの博識を学ぶだけでなく、著者である高井氏の感想も入っているからか、堅苦しい文学的な論文という印象は受けない

日本人の一人である著者も同様に、人生におけるカフェの存在の大きさを理解し、感謝しているように感じた。大変細かく調べられている点からも「本当に好きなんだろうな」と人間味がにじみ出ている

この本を読んでからか、普段「カフェ=ひと休み」の印象が強かった私にとって、「カフェに行く楽しさ」が加わった。そして、今まで「お決まりのカフェ」しか行かなかったが、ふらっと「はじめての喫茶店」に入ることも増えた。

『もう一度、訪れたいカフェは、どこの何というお店ですか?』

p.216 L.15

が本の締めである。大変簡単に、自らのカフェの存在意義を確認できる魔法の質問。

カフェと日本人を読むと、いつも『人生において記憶に残るカフェ探し』にいきたくなる。

この記事も銀座のとある喫茶店から書いている。

おしまい。【文字数:2331文字、作成時間:2時間00分】